勝率を犠牲にしてでも損切りをしなければならない理由とは?

Itsukiです。

最近色んなEAが出回っておりますが、今回のテーマを踏まえ大別すると、

◆損切りをするEA

◆損切りをしないEA

この2つに分かれます。

私達の開発するEAは全て基本的に損切りのあるEAになり、EAによってドローダウンはまちまちですが大体10~30%程です。Liberaは推奨設定だと30%ですね。

ではLiberaがなぜ損切りをするのかは後述するとして、損切りをしないEAが、なぜ損切りをしないのか?というと取得したポジションを逆行し含み損がどんどん膨らんでも証拠金いっぱいまで耐えるので、損切りの設定されたEAと比較し単純に勝率が高くなります。

極端な話、証拠金100万円を用意し極小ロットで稼働すれば、ロジックの良し悪しに関わらずよほどの事がない限り負けなしのEAが出来上がります。

つまり「短期的な実績の見栄えが非常に良い」というのが、EAに損切りを設定しない最も大きな理由かと思います。

しかし…

1・FXは「よほどの事」が稀に起きる

損切りをしないEAにありがちなのが「相場は上がったり下がったりするものだから大丈夫」「1日に2円~3円が一気に動く事はなかなか無い」という言い分です。

ただ、スイスフランショックの時にスイスフラン/円は1時間で5000pips動きましたし、リーマンショックも1日1000pipsが動きました。

為替の歴史の中で「よほどの事」と言うのは定期的に起きているのです。

では今後、そういう大相場はいつ来るのでしょうか?

つい先日メイ首相が辞任し、ハードブレグジット(合意なき離脱)となる可能性が大幅に上がりました。

もしもハードブレグジットという事になると、例えば自動車輸出大国であるドイツの関税率に多大な影響を及ぼし、ドイツのGDPが減少する事は避けられない事態に陥ります。

さらにドイツ銀行は破綻危機で人員削減、資産売却を行っている状況です。

米中貿易摩擦は平行線状態ですが、もしも貿易協議が決裂するとリーマンショックの再来のようなクラッシュになり得ます。

これらの問題はいつ火を噴いてもおかしくありませんし、全てが致命傷級の値動きを引き起こす事が容易に想定出来ます。

そんな時に損切を設定していなければ資産を100%全て失う事になります。

2・損切り無しは全溶けが怖くて複利運用が出来ない

損切りをしないEAの場合、「通常は勝てるが、負けた場合は全て失う」という事になりますので、利益はこまめに出金し単利運用を推奨するのが普通です。

ですから大抵の場合トレード成績のグラフは綺麗な右肩上がりになります。

Liberaの場合は証拠金の大小に関わらず損切り30%ですので、負けたとしても証拠金の全てを失う事はありません。

また、過去13年のデータから一度負けたとしても最短1か月、長くて3か月で損失分を取り戻しています。このデータに基づいて複利運用が可能であり、その為以下のようなグラフの形になります。

この画像を見ると2006年から2009年の半ばまで全くグラフが上がっていないので、「トレードしていないのか?」と思ってしまいそうです(笑)

ただ、2009年以降の利益増加率が大きくて潰れていますが、2006年10万円からスタートした証拠金は2009年6月には440万円を超えています。

https://libera.group/tester/libera/risk5_2006to18/

上記のバックテストのトレード履歴を見て頂ければわかると思います。勝ったり負けたりを繰り返しながら複利でどんどん利益を大きくしていっていますよね。これは損切りをしないEAにはまず出来ない運用の仕方と言えます。

もちろんLiberaも将来的に負けが連続する可能性もありますし、複利運用にこだわり過ぎるのも危険だとは思います。ある程度資金を引き出し別の投資先に分散させる方がリスクはさらに抑える事が出来るでしょう。

しかし同時に私は複利運用を全く考えられないEAは資産運用として非常に不完全だとも思っています。

Liberaは検証ではいきなり負けています。

こちらをご覧ください。

初稼働後、2回目のトレードで実はLiberaは負けています。およそ30%の損失で10万円の資産が7万円まで減っているのが確認出来ると思います。

この損失を取り戻して元の10万円まで回復させたのが3月24日。

2月6日~23日まで稼働がなかった影響もありますがかなり時間がかかっています。

他にも2007年11月には資金が57万円まで増えた後に2度のドローダウンに見舞われ35万円まで減っています。

ただ、その約3年後の2010年の資金がどうなっているかというと、

上の画像を見れば1700万円以上の利益になっているのが確認出来ると思います。

そして最終的には、

最後のトレードで負けてはいますが(笑)

それでも13年間でかなりの利益をあげる事に成功しています。

これが複利運用のメリットであり、損切りを適切に設定しているメリットでもあります。

いくら単利で月利100%のパフォーマンスを出せて、10万円を20万円に、20万円を40万円に、40万円を80万円に出来たとしても、次のトレードで0円になってしまったら意味はありません。

損切りは単にリスク対策の為だけでなく「肉を斬らせて骨を断つ」ための設定でもあります。

「どうせ事故らないんだから自動車保険なんていらない」とあなたは思いますか?

普通に安全運転していたら、そうそう事故を起こす事なんてありません。

ただ、万が一の事を考えてドライバーのほとんどは自動車保険に加入し、シートベルトもするし、大体の車にエアバッグが標準搭載されています。

命を守る為にとても大切な事で、EAの損切りもこの例とほとんど同じ意味合いで投資資金を守る為に重要だと考えています。が、損切りの重要性や負けを許容するマインドなどEA提供者はほとんど触れようとしません。

「負けなし」「爆利」と利益面ばかりを前面に押し出し、リスクとの付き合い方、コントロールの仕方は二の次になってしまっているのが現状です。

私達のEAは前述した理由で負ける時は負けるし、瞬間風速的な爆利は狙いません。それはLiberaのみならず今後リリースするEA全てに共通して言える事です。なぜなら私達はギャンブルツールではなく、あくまで投資のシステムを開発する立場にいるからです。

もちろんLiberaが許容している30%のドローダウンは決して小さくありません。タイミング悪く稼働一発目に負けを経験してしまうユーザー様も今後出てくると思います。

「期待外れだった」と言われアンインストールされてしまう事もあるかと思います。それも仕方のない事と全て覚悟の上で、私達は全てのEAに損切りを設定しています。

ただ、出来れば負けがあっても最低でも半年は稼働させ続けて頂きたいと言うのが本音です。Liberaはあくまで長期目線で大きな利益を狙うためのEAですので。

と、とても長くなってしまいましたが、損切りがとても重要だというお話でした。

こういう地味なテーマはあんまり好まれないのですが、Liberaを選んで下さった皆様にはどうしてもお伝えしたい事だったので今回記事にしました。

是非、損切り、リスクコントロールの重要性をご理解頂いた上でLiberaを末永くご活用頂けますと幸いです。

4 Comments

アバター tomo

PCでしかlineしてないのでQRコード読み取れません Iine IDを教えていただければ友達検索から入室できますのでお願いできますか?

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Libera Group 佐藤 Libera Group 佐藤

コメントありがとうございます!
LINEのIDが「@pdy3552v」となります。
どうぞよろしくお願いします^^

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アバター 荒木達也

遅れて拝見しています。liberaさまの真摯で着実な姿勢が伝わって来ました。EAをお願いしようと思います。よろしくお願いいたします。

返信する
Libera Group 佐藤 Libera Group 佐藤

コメントありがとうございます!
そう言っていただけると本当に嬉しく思います^^
ご不明点なご意見ご感想など、何かありましたらお気軽にLINEまでご連絡くださいね。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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荒木達也 へ返信する コメントをキャンセル

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